子供も大人も引き込まれる!作家ヨシタケシンスケさんの“発想絵本”

この記事の所要時間: 454

まだ言葉も満足に話せないくらい幼い頃から、我が家の息子は絵本が大好きでした。

4歳になり、ひらがな・カタカナを徐々にマスターしつつある今では、自分でも絵本が読めるようになり、ますます絵本好きは高まる一方です。

かなり貯まってきた息子の絵本コレクションの中でも、ボクも妻も含め、我が家全員でハマっているのが、“発想絵本”といったジャンル(?)で話題の作家・ヨシタケシンスケさんの絵本です。

ヨシタケシンスケさんは、1973年、神奈川生まれのイラストレーターで、全国の本屋さん3,000人が選ぶ『MOE絵本屋さん大賞』で3年連続1位の受賞をはじめ、さまざまな賞でも評価され、新作はSNS上でも大いに話題になります。ちなみにヨシタケさんは、二児の父親でもあるとか。……なるほど。

とくに子供向けの絵本では、日常の“幼児あるある”をユニークな視点で捉えたテーマが秀逸。また、その発想を、コミカルに表現する、その絵ヂカラが何とも素晴らしい!

ストーリー自体は、本当にのーんびり(笑)で、ほのぼのとしていながら、登場人物の繊細な表情や共感してしまう言動には、子供だけでなく、大人も引き込まれます。

幼児のを描く絵本

『もうぬげない』

表紙のイラストと、タイトルからして、すでにオチでしょう(笑)。

お風呂に入る前に、自分で洋服を脱ごうとして失敗した主人公「ぼく」が、「ぬげなくなって、もうどのくらいたったのかしら……」と、途方を暮れている状態から物語が始まります。

「ぼく」本人にとっては、このまま洋服が脱げない状態で暮らしていくかもしれないという絶望感の中、彼なりの発想で、この先の生き方……喉が渇いたとき、友達と遊ぶとき、などを想像(妄想)していきます。

何とか脱出を試みようと、編み出した「策」に失敗し、さらに絶体絶命になりかけますが……という、子供に起こりがちな、日常のささいな瞬間を、子供の目線?発想力?で見事に描く、これはほぼ、ドキュメンタリーなのかもしれません。

我が家では、たまたま書店で見つけたこの表紙に惹かれて購入し、以来、ヨシタケシンスケさん作品のファンになるきっかけとなりました。

うちの息子も、よくこの冒頭のポーズを真似ながら、「×××で、もうどのくらいたったのかしら……」と。確実に、4歳の心をも射止めているようです。

『なつみはなんにでもなれる』

タイトルだけを見ると、何か、将来の夢に思索を巡らせるようなストーリーかな……と思いきや、あっさり、裏切られます(笑)。

主人公の「なつみ」が、毛布を使ったり、手をぐるぐる回したりして、身の回りのさまざまなものの真似をしていくだけのストーリー。彼女いわく、「なんのまねをしているか、あてるゲーム」だそうです。

「なつみ」の真似は、とても難易度が高いのです。似ていないのではなく……よくよく考えれば、上手過ぎるというか(笑)。「なつみ」が問いかける「おかあさん」も、なかなか当てられません。

「おかあさん」とのやりとりも、ただただ「おかあさん」が優しく「なつみ」を受け止めているだけではないあたりが、またリアリティ(笑)。

「なつみ」のクイズに構いながらもクールに受け流すこともあったり、パジャマのゴムを引っ張る新手に出たときは「それ、パジャマがのびのびになるからやんないでっていったじゃん!!」と叱る部分があったりと、「おかあさん」も等身大の反応を見せるのが、ストーリーに躍動感を生み、そして、読み手に共感も与えるのでしょう。

ラストはミステリー。ひとつの謎を残して終わるのですが……答えのヒントも、本のどこかに隠されています。うちの4歳でも、すぐにわかりました。

読んでほしい絵本

ヨシタケシンスケさん作品の特徴は、日常の出来事を題材にしたテーマと、そこを掘り下げる発想力と、絵ヂカラです。

読者対象は決して子供だけではなく、テーマによっては、大人が虜になる作品も少なくありません。

『あるかしら書店』

ボクが、自分自身で読みたくて、買った本。普段は買った本も、そう何度も読み返さないのですが……この作品は珍しく、何度も読んでいます。「読む」というより、「浸る」という感覚が近いかもしれません。

舞台は町の外れの一角にある『あるかしら書店』。ごくごく普通のおじさん、でも愛嬌たっぷりの店主が、次々に訪れるお客さんの「○○についての本ってあるかしら?」のリクエストに対し、「ありますよ!」と、どんどんおすすめの本を差し出していきます。

お客さんからは、「なんか『ちょっとめずらしい本』って…あるかしら?」や「なんかこう、『本にまつわる道具』ってあるかしら」、「『本にまつわる名所』の本ってあるかしら?」など、奇想天外なのですが、、、店主は動じません。

ヨシタケシンスケさん流の、”ハッとするクライマックス”も、もちろん健在。当作品でも、最後は「クスッ」と、「なるほどね」が合わさった締めくくりで、しっかり安心感を与えてくれます。

まとめ

マンガ好き、映画好きな方であっても、ヨシタケシンスケさんの絵本には満足できると思います。
絵本ですが、読後は一作品を観賞したかのような余韻に浸れるのではないでしょうか。

ヨシタケシンスケさんの“発想絵本”シリーズは、いくつか出ています。
興味があれば、ぜひ。

この記事を書いた人

パンダパパ
パンダパパ
ライター歴は約20年。20代は東京中を取材で駆け回る。テレビCMの構成やチラシ・パンフレットの制作も手掛ける。一人息子を「子分」として携えて出掛けるのが楽しくて仕方ない。

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です